十角館の殺人/綾辻行人
更新日:2015年8月16日
私が推理小説を読むきっかけを作ってくれた作品。
1987年発表ですが、いま読んでもあまり古臭さを感じません。
登場人物のほぼ全員にあだ名(「アガサ」とか「エラリィ」とか)がついていて、みんな互いにあだ名で呼び合い、素の文章までそのあだ名で表記される面倒な構成を採るので、小説を読み慣れない人にとっては最初の100ページがかなり読みづらいと思います。そこを超えればあとは怒濤の展開が待っています。
「あの1行」ですべてがひっくり返る感覚は、ぜひ体験していただきたい。閉鎖された島の洋館で起こる連続殺人というコテコテのシチュエーションが大好きな方は(気が合いますね)、絶対に読むべきです。でも、そんな人はとっくに読了済みでしょう。あまりに有名すぎますから。
この作品、絶対に映像化はできないと思いますので、まだ未体験の方はぜひ文庫で。
ほんとうは、イニシエーション・ラブ(文春文庫・乾くるみ)も映像化は無理だと思っていたんですけどね・・・。