弁護士 斉藤耕平

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離婚の財産分与

更新日:2015.8.24

民法には、離婚の際に配偶者に対して財産分与を請求できることが定められています(768条)。これは、夫婦関係の清算に伴い、夫婦の共有財産も清算するという考え方に基づきます。

 

裁判などでこの財産分与の額が問題になるケースには、大きく分けて、①分与の割合に争いがあるケースと、②財産分与の対象となる財産の範囲に争いがあるケースがあります。

 

①具体的な分与の割合について、民法上は「一切の事情を考慮」して定めるとありますが、実務上は、原則として2分の1を基準に夫婦の共有財産を分配しています。これは、妻が専業主婦であるという理由だけで大きく変わるものではありません。妻の家事育児という無償の労働貢献を前提に夫の財産が形成されているという考え方です。

もっとも、離婚に伴う財産分与には、夫婦の共有財産の清算のほかに、配偶者の将来の扶養の要素や、離婚原因に基づく慰謝料の要素も含めることができるとされていますので、裁判などでは、このような要素を加味して実際の分与割合が決められることがあります。

 

②財産分与で清算の対象となる財産は夫婦の共有財産です。具体的には、結婚してから離婚するまで(あるいは別居するまで)に夫婦それぞれが取得した財産です。そのため、結婚前から持っていた財産は分与の対象になりません。また、相続や、親族による贈与などを理由に取得した財産は、結婚後に取得した財産であっても、分与の対象にならないとされています。

よく問題になるのは、住宅ローンが残っている夫婦の自宅不動産の清算です。離婚時にローン残が不動産の時価を上回る場合には、清算すべき財産価値がないため、分与の対象にはしないという判断が多いと思いますが、配偶者がその自宅をしばらく利用する事実上の必要がある場合などは、不動産の持分を分与したり、その自宅不動産に何らかの利用権を設定したりすることもあります。

また、近い将来、配偶者が年金や退職金などを受け取る可能性が高いときには、それを分与の対象にすることもあります。これについては一律の基準があるわけではなく、具体的な事案においてどれが公平な結論なのかという考え方で、分与の対象額やその割合を判断するしかありません。

 

離婚は、いちど作り上げた生活を壊して清算・分配するものですので、将来に向けてゼロから生活を組み上げていく結婚に比べて、当事者の納得する結論を導くには当然に困難が伴います。離婚に至る経緯において当事者間に悪感情が伴うのでなおさらです。弁護士が悩む、大きな問題のひとつといえます。

 

 

 

 


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