離婚と親権⑵
更新日:2015.9.2離婚のトラブルの中でも最も深刻なのが、別居中の夫婦による子どもの身柄の奪い合いです。
妻が子どもを連れて別居したところ、夫が妻の不在中に子どもを連れ帰ってしまうというのがリーディングケースですが、そこに夫婦以外の親族が介入したり、警察沙汰になってしまうことも珍しくありません。
こういった場合、法律上は、家庭裁判所に対する子の監護者の指定・子の引き渡しの審判申立てと、それに合わせた審判前の保全処分の申立てで対応することになります。しかしながら、こういった紛争にまで発展してしまうと、穏便に解決できたはずの事案がこじれてしまい、解決までに長期間かかったり、子どもに無用の精神的負担を与えてしまうなど、決してよいことがありません。
夫婦間の関係が破綻していたとしても、子どもにとっては唯一の父親であり、母親です。夫婦間の問題に子どもを巻き込むことのないよう、十分な配慮を怠らないようにしなければなりません。